患者の気持ち
先日、洗濯物を抱えたまま階段を4段ほど落ち、左足の指5本を内側に曲げた状態でひどく打った。恐る恐る触ったり、立ったりして多分折れていないなと素人判断をして、湿布をした後でかけた。
「歩ける。大丈夫、大丈夫!」となんとかその日は用事を済ませたが、翌朝かなり腫れて、色もどぎつく広がってきている。でも痛みはさほどひどくないため仕事に出かけ、休み時間に近くのクリニックに行った。
レントゲンを見た先生曰く、「このあたりのぼやっと写っているところが、もしかしたら剥離骨折の可能性もあります。一週間くらいしてからまた来てください。骨折かどうかわかるでしょうから…あまり、歩かないほうがいいですよ」
「はい」とは言ったものの、このコメントに頭をひねってしまった。私は一週間後に骨折だったどうか分かっても何にも嬉しくないし、別にそんなことどうでもいいのだ。
薬を飲みながら経過観察が必要な病気ならともかく、今、このどす黒い紫に変色した指がどうなっているのか不安で、どんな処置が最適なのか知りたいのに。「湿布だけでOK、心配しなくていいよ」と言ってほしいのに。
あまりにも次々と、何年も何年も骨折者ばかり見ているうちに、不安な思いで訪ねた患者の気持ちを察することを忘れてしまったのかしら?そんな思いにかられたひと言だった。
2014/1/20
衝撃、そしてがっかり
数年前から月に一度の朗読サークルに足を運んでいた。とはいうものの仕事があれば休んでいたのであまり熱心な生徒ではなかった。
私がフリーのアナウンサーになった最初の時からお世話になり尊敬する坂本先生が主宰しておられるそのサークルでは、十年余り前から「源氏物語」の原文朗読に取り組み、とうとう最後の「宇治十帖」を読み終わるという快挙を成し遂げた。そしてこの四月に記念朗読会を催すことになり、私も僭越ながら少し読ませてもらうことになっている。
さて、今後の活動の予定が決まるまでとりあえず「徒然草」を読むことになり、原文はすでに用意してくださった方がいて、あわせて読んでいく現代文は各自が用意するのだが、その現代文をネットで探し、印刷して読んだ時の衝撃と言ったらなかった。
「徒然草」は日本三大随筆の一つと言われ「つれづれなるままに…」の冒頭くらいは、おそらく誰もが知っていると思うが、実は私もその程度の知識しかないけれど、だからこそ何か、こう作者や作品を大事にしたい思い…漠然とした敬意を持っていたし、親しみやすい内容に親近感を抱いていた。ところが、目にした現代文は「知性も感性もかんじない、ただのぼやき」であり、使用している言葉は下品であり、おおよそ朗読不可能な、値しないものであった。
ネットで様々な情報を得る時代。「徒然草」のイメージ台無しだが、これをそのまま受け止め「徒然草」=「品のない古典随筆」と思っている人が多くいるだろうと思うと、実に残念なことである。そして、改めて言葉の怖さ、訳が伴う責任を感じた。
2014/1/8
箱根駅伝を見ながら
朝テレビをつけると、箱根駅伝往路第一走者が走り始めたところだった。そういえば、去年の夏初めて訪れた芦ノ湖や箱根、源頼朝神社(だったっけ)など、なんとなく見覚えのあるような風景が流れた。
走るのは苦手だが、それを見るのは好きだ。スポーツの中で、見ていて一番感動するのが、私の場合はマラソン。綺麗な衣装も華麗なジャンプも、息を呑むような技もない。ただ走るだけで、その短調で嘘がなく、自然の姿が美しく、声援を送りたくなるのだ。
さて、箱根駅伝だが、よくよく見ると関西の大学がない。関西の大学は参加できないと初めて知る。駅伝をしたい子はみんな関東に行くんだと息子が教えてくれた。
なぜ関西に駅伝の大会はないのだろうか。やりたいこはたくさんいるだろうし、作ればいいのに。「生駒駅伝」(…ちょっとローカル過ぎ?)「比叡山駅伝」(これいいかも…)「奈良の古寺巡り駅伝」なんてのも、関西らしくていいかもしれない。
歴史もステータスも箱根にははるか及ばないかもしれないが、各地で様々なマラソン大会が開催されている今日、学生の駅伝大会が誕生してもいいのにな…などと勝手な想像をしては楽しくなった朝のひと時だった。
2014/1/2
おふくろの味
年末スーパーへよく走った。最近では1月1日から空いているスーパーもあるのだから、「年末といっても気にする必要はないのに、それでもなぜか少しでも切れそうなものがあると、ついつい買いだめしてしまう。
12月に入った頃から食品売り場にはぼちぼちおせちが並び始めたが、年末は凄かった。おせちの定番のお料理がずらりと並んだ売り場。あれだけ並ぶというのは需要があるからだろうが、味はどうなんだろう。一般に売っている惣菜は味が濃く、超薄味の我が家としては正直言うと苦手だ。
先日英語のレッスン時に子供たちに「好きなおせちは?」と尋ねると、9割の子がおせちは好きでないと答え、残りの1割の子があえてあげてくれたのは「かまぼこ」と「かずのこ」であり、なんともさびしい思いをした。農家の多い我が家の近辺でさえこうなのだから、都会の子供たちは推して知るべしだ。
ひと昔前、「おふくろの味」といえば煮物が定番だった。今の子供たちには「カレー」や「ハンバーグ」が「ママの味」。うちの子供たちは最近の子供にしては珍しく根菜系の煮物が好きで、おせちも大好きだけれど果たして「おふくろの味」として何を上げてくれるのか非常に興味深く、折を見て一度聞いてみたいと思っている。
2014/1/1