「朗読アラカルト」in 東京
「朗読アラカルト」とは私が所属する日本朗読文化協会の12月恒例のイベントである。その名の通り、さまざまなジャンルの作品を読みあうイベントだが、協会のイベントはすべて東京で行われ、大阪在住の私は、これまで何一つ参加していない幽霊会員も同様の存在。その状態を何とかしたくて、今年は少し無理をして参加させてもらった。
場所は東京六本木にある「麻布区民ホール」。100席弱のこじんまりとしたホールだが、なかなか雰囲気の良いホールだった。また当日に先立ち、演出家の先生によるズームでのご指導もあった。とても丁寧に教えていただき、「なるほど、そういう風に読んでいくのか!」と感動モノのご指導だった。
さて私は10分という時間制限の中で長田弘さんの「世界はうつくしいと」と「あのときかもしれない」という2編の詩を選んだ。理由は簡単。「短い時間」「詩を読む人は少なかろう」という二つ。そして確かに詩を読まれた方はいなかった。
楽しいひとときだった。初めてのホール、音響設備はわくわくする。朗読は好きというものの、どちらかといえば、スタジオという密室での録音しか経験のなかった私だが、奈良で映像作品の上映会を開催されている保山耕一氏に声をかけていただいて舞台で読ませていただくようになった。お客さんの反応がよくわかる舞台での朗読。奈良のレクチャーホールは確か300席ほどあったかと思うが、今回の麻布区民ホールは100席弱だから、お客さんの顔がすべて見える状態。でも、どちらも人の空気が感じられて、俳優さんが「舞台がいい」と良くおっしゃっているのはこういうことかとしみじみ思った。
2023/12/12
「よだかの星」の朗読を終えて
先月、奈良で朗読の機会をいただいた。毎月一度奈良で開催される映像作家保山耕一さんの作品上映会で、毎回私はいろいろなものを読ませていただいたが、どちらかといえば、短めのもの、短歌や、詩やエッセイなどの朗読で、いつも楽しませていただいたが、今回は宮沢賢治の「よだかの星」。25分弱の作品である。上映会のなかでの位置づけ、保山さんの思いも理解した。絶対失敗は許されない。自分史上最良の読みをしなければ…と強く言い聞かせ、準備を始めた。
いろいろな方の朗読にも耳を傾けたのち、思い至ったのは、自分のスタイルを造ろうということだった。聞かれる方の印象、感想は様々かもしれないが、自分のスタイルの最善を尽くそうと…そして保山さんが本日のメインイベントとご紹介してくださる中、朗読を始める。
…結果、完璧とまではいかなかったが、満足のいくもので、聞いてくださった方々も、好意的な感想をくださった。来年から朗読に本腰を入れようと考えている私にとっては、良いタイミングで最高の機会を与えてくださった保山さんに心から感謝、感謝である。
2023/12/3